はじめに
IBS Cafe にお越しいただきありがとうございます。
このページでは「過敏性腸症候群(IBS)」とは何か、どういった症状があるのか、原因や対処法などをわかりやすくご紹介します。
IBSとは “Irritable Bowel Syndrome(過敏性腸症候群)” の略で、現代にとても多い不調の一つです。
日本では10人に1人が該当するともいわれており、誰にとっても身近な問題です。
腸そのものに異常がなくても、ストレスの多い社会環境や生活の乱れが原因で起こるのがこの病気の特徴。
過敏性腸症候群(IBS)とは?
IBSとは、「腸に明らかな異常がないのに、腹痛や便通の異常(下痢や便秘など)が繰り返し起こる状態」を指します。
病院で検査をしても「異常なし」と言われるのに、つらい症状は続く。そんな“見えないつらさ”を抱えている方がたくさんいます。
IBSはストレスや生活習慣の乱れ、腸内環境の変化などが影響すると考えられており、「機能性消化管障害」の一つに分類されます。
症状とタイプ分類
IBSには一般的に大きく分けて以下の3つのタイプがあると言われています。
- 下痢型:急な腹痛とともにトイレに駆け込むことが多い
- 便秘型:お腹が張って苦しいのに便が出にくい
- 混合型:下痢と便秘が交互にやってくる
そして最近多くの人が悩んでいて、認識されてきたのが
👉 「ガス型」 と呼ばれるタイプです。
- お腹の張りやガス(おなら)の悩みが主な症状
- トイレよりも人前が気になる、音やにおいに敏感になるといった心理的な負担が強い
- 特に若い世代や女性に多く見られる傾向があると言われています
IBSは「タイプが混ざる」ことも多く、日によって変化するのがやっかいなところでもあります。
原因として考えられるもの
IBSの正確な原因はまだ解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。
- ストレスや不安、緊張
- 自律神経の乱れ
- 腸内フローラ(腸内細菌)のバランスの乱れ
- 食べ物(脂っこいもの、乳製品、カフェイン、FODMAPなど)
- 生活リズムの乱れや睡眠不足
個人差が大きく、「これが原因」とはっきり言えないのも特徴です。
医療機関での診断と検査
IBSを診断するには、まず他の病気ではないことを確認する必要があります。
医療機関では次のような検査が行われることがあります。
- 血液検査・便検査
- 大腸カメラ(内視鏡)
- 腹部エコー など
また、IBSの診断には**「ローマ基準」**という国際的な基準があり、
「腹痛や腹部不快感が、過去3か月のうち週に1回以上、便通の変化と関連して起きている」
といった項目に当てはまるかどうかを確認します。
自己判断ではなく、一度専門の医師に相談することが大切です。
治療法に関しては、薬だけでなく生活全体の見直し、ストレスと向き合うことが必要になってくる場合もあります。
IBSと向き合うということ
IBSは命に関わる病気ではない一方で、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
「今日は大丈夫かな…」と毎日不安を抱えている方も多いと思います。
でも、自分の体の傾向を知り、上手に付き合っていくことで、少しずつ楽に生きられるようになります。
ひとりで悩まず、必要に応じて医療機関を頼ったり、仲間と情報を共有したりして、自分なりの「安心できる過ごし方」を見つけていきましょう。
最後に:IBS Cafeの思い
私自身、IBSに長年苦しみ、向き合ってきたからこそ、その経験を活かし
IBSに悩む当事者や、周囲の人にこそ知ってほしい「あるある」や情報をお届けしています。
「こんなこと、誰にも言えなかった」
「これ、私だけじゃなかったんだ」
「こんな症状の人もいるんだ」
そんなふうに感じられる居場所になれたらうれしいです。
参考文献
日本消化器病学会「機能性消化管疾患診療ガイドライン2020 – 過敏性腸症候群(IBS)」
過敏性腸症候群(IBS)|ガイドライン一覧|日本消化器病学会ガイドライン
2025年7月13日:初回公開